取引高10億ドルの幻想?米株休場時におけるCoinbase株式トークンの実売却受け止め力テスト

10億ドル以上の取引高を誇るCoinbase株価トークンだが、実際の流動性は限定的。Baseチェーン上のAerodromeプール(総額約1297万ドル)での10万ドル売却シミュレーションでは、KyberSwap推定価格より0.06%~0.71%低い結果。単発注文の結果であり、複数同時売却時の市場耐性は不明。米国株式市場休場中も24時間取引可能だが、その際は予言機が前日終値を維持するため、価格は二次市場の流動性提供者に依存。インセンティブ変更や流動性引き出しで価格が急変するリスクを指摘。

要約

著者:Liam 'Akiba' Wright、cryptoslate

翻訳:Saoirse、Foresight News

10億ドル超という統計上の取引高が、Coinbase株式トークンの取引が活況を呈しているかのような見せかけを作り出している。しかしトークン保有者にとって核心となる問題は、現在の市場がどの程度の売り注文を、どのような約定価格で受け止められるかであり、とりわけ米国株式市場の休場時間帯にはそれが顕著になる。

9月23日の寄り付き前テストでは、Baseチェーン上でCoinbaseが発行する10種類の株式トークンそれぞれについて、10万ドル規模の売買見積もり経路をシミュレーションした。売却時の推定受取額は、KyberSwapが示すトークン評価額を0.06%〜0.71%下回った。こうした見積もりは瞬間的な単一注文の試算にすぎず、複数の注文が同時に集中して売却された場合の市場の受け止め能力を表すものではない。

検証期間中、10個の主要Aerodrome株式/USDCプールの帳簿残高は合計で約1297万ドルだった。個別プールの規模は、MSFTcの約81.87万ドルからNVDAcの約211万ドルまで幅がある。残高には株式トークンとUSDCの両方が含まれており、この数字だけでは指定価格帯内で売り注文を受け止められる資金量を判断できない。

Dromos Kitchenの株式トークンデータパネルによると、9月23日時点でこれらトークンの累計取引高は約10.2億ドル、トークン総時価総額は1982万ドルだった。このコミュニティ独自のデータ注記は、データに欠落がある可能性を示している。出来高は過去の取引を累積した結果であり、大口売り注文をいつでも待ち受ける買い手の資金プールと等しいわけではない。

10万ドルの見積もりが示すもの

以下の表は、Aerodromeプールの帳簿残高とKyberSwapが推定する売買交換経路を対応させたものだ。見積もり差額は、ルーティング推定による出力ドル価値が入力評価額を下回る幅を表しており、トークン価格を原資産である米国株の価格に対応させたものではなく、実際の約定を表すものでもない。

測定方法:プールデータは世界標準時08:00時点の10件のAerodrome Slipstream 3株式/USDCレコードから取得。KyberSwapのルーティングデータは世界標準時08:02:01から08:02:42にかけて取得した。トークン別に表示された価格で、売却規模は約10万ドルに相当する。KyberSwap自身の入力評価額にはわずかなずれがある。数値は四捨五入済みで、ガス代は別途計算し、実際の取引は一切送信しておらず、API呼び出し後に別途トランザクションを構築する必要がある。

単一トークンの取引規模が約1万ドルの場合、売却見積もりのスプレッドはわずか0.01%〜0.12%だったが、注文を10万ドルに拡大するとスプレッドは概ね拡大した。一部の取引ルートはAerodromeと他の流動性ソースを集約しているため、推定価格は複数のプールをカバーしている。ただし、マーケットメーカーや流動性プロバイダーが提示価格を調整すれば、こうした追加流動性は急速に変化する。

プールの帳簿残高は、一部が報酬によって流動性プロバイダーをつなぎ留めている。Aerodromeのプールガバナンスルールによると、流動性プロバイダーがポジションをステーキングしてAEROトークンの排出報酬を得る場合、直接の取引手数料を放棄し、手数料は報酬の流れを決定する投票を行ったユーザーに分配される。手数料収益とAEROトークン報酬は、プールにおける2つの独立した経済的源泉である。

8月のローンチ段階で、BeefyはCoinbaseがMerklを通じて2週間ごとにUSDCインセンティブを提供し、BeefyがAerodromeのトークン排出を重ねて追加報酬を提供すると述べた。これはローンチ初期の流動性インセンティブ案を説明したものであり、すべてのプールに現在検証可能な安定収益があるわけではない。トークンの過去の取引高の高低にかかわらず、インセンティブやガバナンス投票が他の対象に移れば、流動性プロバイダーは資金を引き揚げることができる。

Coinbase株式トークンは米株休場時でも24時間取引が可能で、Aerodromeプールがセカンダリーマーケットの流動性を提供しているが、見積もりはあくまで推定であり、実際に売却可能なキャパシティと等しいわけではない。

原資産である米国株市場が休場し、トークンがなお取引可能な場合、資金構造のリスクが浮き彫りになる。

Baseのドキュメントによると、Coinbase株式トークンは規制対象のカストディアン口座に保有される原株式によって裏付けられており、米国以外の適格地域のユーザーのみに開放されている。開発者向けドキュメントには、トークンのセカンダリーマーケット取引はパーミッションレスだが、アドレスのリスク管理が存在し、原株式の一次発行(ミント)と償還権限は認可された参加者のみに開放されていると記載されている。

米株休場期間中も、トークンは引き続きチェーン上で流通できる。Baseのドキュメントは同時に、Chainlinkの株式オラクルが非取引時間帯には前取引日の価格を維持し、チェーン上のトークン取引は停止しないと説明している。保有者が時間外に売却する際、オラクルの提示価格は旧価格に固定されたままで、即時の売却価格は完全にセカンダリーマーケットの流動性プロバイダーによって決定され、一次償還チャネルは一般ユーザーの手にない。

9月23日のルーティングテストは、プール規模が大きくなくても、単一の10万ドル注文ならシミュレーション見積もりを得られることを証明した。しかしオラクル価格が凍結されている期間中、AEROガバナンス投票の変動、流動性の引き揚げ、時間外の個別銘柄に関する突発ニュースが、見積もりを激しく変動させる可能性がある。

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著者:Cryptoslate

本記事はPANews入駐コラムニストの見解であり、PANewsの立場を代表するものではなく、法的責任を負いません。

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