Arca:暗号資産の4つの投資方向性

近年、デジタル資産投資家が直面する最大の課題は「何に投資すべきか」の判断だった。選択肢は無数にあるが、魅力的な投資対象は歴史上少数に限られ、その数は縮小傾向にある。しかし、基本的なファンダメンタルズ改善、トークン経済モデルの最適化、規制の明確化、機関投資家の参入が進み、市場は投機から伝統的な分析が通用する領域へと変わりつつある。

投資機会は主に四つのカテゴリーに集約される。

  • 上場企業の株式:暗号資産インフラを構築する企業への投資。Galaxy DigitalやSecuritizeが有望で、KrakenのIPOも予定。規制環境の整備に伴い、優良な上場企業は増える見込み。

  • 実収益と優れたトークン経済を持つ既存トークン:業務が成熟し、経済的価値を蓄積できるプロジェクト。従来はプロトコルの成功とトークン価格が乖離していたが、現在は収益の買い戻しやステーキング権益、手数料配当などの価値捕捉メカニズムが機能し始めている。

  • 設計段階からコンプライアンス対応した新規トークン:旧来の「投機的な資金調達」モデルとは異なり、ビジネス設計の初期からトークンを経済圏に統合するプロジェクト。Venice AI($VVV)が代表例で、ステーキングによるAI計算リソースへのアクセス権や収益の買い戻し・焼却メカニズムを備える。

  • ビジネスは成功しているが経済設計の刷新余地がある老舗トークン:トークン経済はライフサイクル全体で変更可能という特性を活用し、バリュエーションが低迷した資産に注目。BraveブラウザとBATは1.2億人以上のユーザーを持つが、トークン価値は低迷していた。しかし、BAT 4.0ロードマップで収益の一部をトークン買い戻しに回す計画が発表され、再評価の可能性が浮上している。

これら四つの機会の共通点は、基盤となるビジネスやネットワークが成長するにつれ、明確な経済的ロジックで資産価値の上昇が支えられることにある。特に老舗トークンは、伝統的な証券にはない「経済設計の柔軟性」という特性を活かし、新たな投資価値を生み出す可能性を秘めている。業界成長の中心はステーブルコイン/決済、DeFi、RWA(現実資産のトークン化)にあり、投資家はより明確な選択肢を持つ時代に入った。

要約

著者:Jeff Dorman、Arca最高投資責任者(CIO)

翻訳:Shaw、金色財経

長年にわたり、デジタル資産投資家が直面してきた最大の難題のひとつは、いったい何に資産を配分すべきかを見極めることだった。市場には数千種類もの暗号通貨、数百ものブロックチェーンプロトコル、数十社の上場企業が存在し、毎週のように新規プロジェクトが際限なくローンチされている。選択肢は多いものの、歴史的に見て本当に魅力的な投資対象の数はごくわずかであり、しかも縮小を続けてきた。

今年、私たちはこの状況がようやく転換を迎えつつあるというテーマで多くの記事を執筆してきた。ファンダメンタルズの持続的な改善、トークン経済モデルの最適化、規制枠組みの明確化、そして機関投資家の資金流入が重なり、デジタル資産は純粋に投機が主導する市場から、投資家が従来のファンダメンタルズ分析の枠組みを適用できる市場へと徐々に変貌しつつある。

暗号市場全体は依然として自らの立ち位置を模索しているものの、私たちは投資機会がむしろますます明確になっていると考える。実際、現在配分に値する暗号資産投資は、主に4つのカテゴリーに分けられると私たちは考えている。

一、上場企業の株式——業界のインフラを構築する企業への投資

第一のカテゴリーは最も直感的に理解しやすいもの、すなわち株式だ。

デジタル資産の領域は複雑極まりないが、優良企業の株式に投資すること自体は決して複雑ではない。企業は収益を生み出し、支出を管理し、資本を配分し、長期的に利益とフリーキャッシュフローの成長を実現することが期待される。株主は企業の残余価値に対して法的な請求権を持ち、企業価値が高まれば株式価値も通常は同時に上昇する。

残念ながら、質の高い暗号関連上場企業の数は依然として多くない。率直に言えば、投資に値する質の高い非上場企業すらごくわずかしか存在しない。

私たちは**Galaxy Digital(GLXY)とSecuritize(SECZ)**のような企業を引き続き有望視している。これらは投資家がデジタル資産エコシステムの中で最も成長の速い分野にポジションを取ることを可能にする。Galaxyは機関投資家向け取引、資産運用事業、そして急速に拡大するAIデータセンター業界をカバーしている。Securitizeは、伝統的な金融資産がブロックチェーンインフラへ移行する大きな潮流、すなわち現実資産(RWA)のトークン化から恩恵を受けるだろう。

投資可能な対象プールは今後も拡大し続ける。Krakenは来年のIPO開始が見込まれている。私たちは、暗号セクターのIPOが継続的に初値を割り込まなければ(COIN、BTGO、GEMI、BLSHを参照)、他の多くの質の高い暗号スタートアップも最終的には公開市場に上場すると予測している。

私たちはこれまで、伝統的な金融機関がデジタル資産に参入するトレンドについて多くの記事を執筆してきた。この融合プロセスが加速するにつれ、投資家は業界の成長に参加するための質の高い上場企業の対象をますます多く手にすることになるだろう。

しかし、株式は業界の成長を捉える手段のひとつにすぎない。

二、実収益と優れたトークン経済モデルを備えた既存トークン

第二のカテゴリーは、私たちが今年ほぼ継続的に書き続けてきた対象である。成熟した事業に支えられ、実質的な経済価値を蓄積できるトークンだ。

暗号業界の発展の大部分の期間において、ブロックチェーンプロトコルやプロジェクトの事業上の成功は、そのトークンのパフォーマンスと深刻なほど乖離していた。あるプロトコルや企業は数億ドルの収益を生み出し、数百万人のユーザーを惹きつけ、デジタル資産エコシステムに不可欠な存在になり得る。しかしトークン保有者が得られるのは、せいぜい実質的な意味を持たないガバナンス権にすぎなかった(例:LINK、XRP)。

この仕組み自体がそもそも極めて不合理である。

私たちが繰り返し論じてきたように、この問題はかなりの部分が自業自得である。誤解を招く法的助言、粗末なトークンアーキテクチャ設計、そして経済的価値を持つトークンの構築を後押ししなかった従来の規制環境に起因している。幸いなことに、状況は変わりつつある。

私たちが何度も言及してきたように、多くの企業やプロトコルは、収益による買い戻し、ステーキング権益、手数料分配などの価値捕捉メカニズムを通じて、トークンが実質的な経済価値を持ち得ることを証明してきた。こうしたプロジェクトはもはや単に物語を語り、ブロックチェーンの未来のビジョンを描くだけではなく、実際の事業を運営し、実際の収益を生み出し、トークン保有者が事業成長の果実を共有できる仕組みを絶えず構築している。

核心となるロジックはシンプルだ。あるプロトコルの収益が持続的に成長し、市場シェアを拡大し、トークン保有者に経済価値を還元するならば、投資家はついにデューデリジェンス評価を行える実体のある対象を手にすることになる。

ただし、すでにこのモデルを確立したプロジェクトよりも、さらに期待が持てるのは、プロジェクトの誕生当初からこの原則に従って開発される新規プロジェクトである。

三、設計段階からコンプライアンスが整った新規発行トークン

長年にわたり、トークン発行の手法は高度に固定化されてきた。ベンチャーキャピタルから資金調達し、実用性が疑わしいトークンを発行し、ごく一部の流通量を一般に放出し、インサイダーのロックアップ解除による売り圧力が到来する前に、投機によってトークン価格を押し上げることを期待する、というものだ。

このモデルはセカンダリーマーケットの投資家にとって非常に不利であり、当然のことながら、こうしたトークンの大半は最終的に惨憺たるパフォーマンスに終わった。バイナンスやコインベースなどの取引所が、失敗が運命づけられた新規トークンを上場させることは共謀行為であり、これもまた多くの個人投資家が暗号市場から永久に離れる重要な理由となった。

しかし、新世代のプロジェクトは異なる道を歩み始めている。彼らはもはやトークンを後付けのツールや資金調達手段として扱うのではなく、プロジェクトの設計当初から、トークンを事業の経済システムに深く組み込んでいるのだ。

**Venice AI($VVV)**は興味深い事例である。Veniceはプライバシー重視のAIサービスを提供しており、企業や個人は個人データを中央集権的なプラットフォームに渡すことなく、最先端のAIモデルを利用できる。このプロジェクトで最も際立っているのはトークン設計だ。ユーザーがVVVをステーキングすると、比例配分でVeniceのAI推論コンピューティングの利用権を得られる。これにより、事業需要とトークン需要の自然な連動が生まれる。Veniceはさらに、収益による買い戻し・バーン(焼却)メカニズムを導入し、事業運営とトークン保有者の利益をより強く結びつけている。プライバシーAI推論の需要が高まるにつれ、コンピューティングアクセス権に対応する経済価値も同時に上昇する。もちろん、これはVVVの現在のバリュエーションが投資魅力を備えていることを意味するわけではないが、少なくとも真剣に評価し、ファンダメンタルズに基づいて価値判断を行うことができる。しかも、経済価値を生み出すために従来の株式配当モデルを採用する必要もない。

重要なポイントは、VVVおよびその後に続く同種のトークンには、投機的な売買以外にも実在する意義があるということだ。Veniceが最終的に成功するかどうかはまだ未知数だが、これこそが私たちが新世代のデジタル資産発行体に期待するイノベーションである。

四、優良事業に支えられ、経済モデル再構築の機会を持つ老舗の既存トークン

第四のカテゴリーは、おそらく現在の暗号市場で最も見落とされがちな投資機会である。皮肉なことに、私たちはこの方向性について6年以上にわたって記事を書いてきた。

すでに2020年7月の時点で私たちは、トークン投資の最も魅力的な点のひとつは、トークンアーキテクチャの柔軟性にあると指摘した。従来の証券とは異なり、トークン発行体はトークン経済のルールを継続的に変更し、機能を追加し、トークン保有者のためにより良いインセンティブメカニズムを設計できる。2025年4月にはこの見解を再び強調した。トークン経済学とユースケースは、資産のライフサイクル全体を通じて反復・改善できるのだ。

これはデジタル資産の最も過小評価されている特性のひとつである。トークン経済は決して不変ではない。

5年前あるいは10年前に設計が粗末だったトークンが、必ずしも永遠に粗末な投資対象であるとは限らない。トークンのリリーススケジュールは調整でき、買い戻しメカニズムを追加でき、収益分配を実装でき、新たなユースケースを開発できる。もちろん、こうした変更にはプロジェクトチームの決意、コミュニティの合意、そして適切な法的枠組みが必要だが、技術的には調整の余地がある。

ここから、極めて魅力的な投資機会が生まれる。事業はすでに軌道に乗っている一方で、トークンは市場に見放され、しかしトークン経済システムを根本から再構築できるプロジェクトを探すことだ。

Braveブラウザとそのネイティブトークンである**BAT(Basic Attention Token)**を例に挙げよう。

Braveは1億2,000万人を超えるユーザーを抱え、世界のアクセス数上位50サイトに入るとされ、Telegram、eBay、Discord、GitHubと肩を並べる。どの指標で見ても、Braveは非常に成功したC向け(コンシューマー向け)プロダクトを築き上げた。

しかし、ここ10年近く、BATは投資対象としてほぼ無価値であり、この評価はむしろ控えめな表現ですらある。

問題は基盤となる事業そのものにはない。BATと、事業成長が生み出す経済価値とがほぼ完全に切り離されていることにある。Braveがユーザーを惹きつけ続け、プロダクトを反復改善し、エコシステムを拡大しても、BATに対する顕著な新規需要は生まれなかった。

しかし、この状況についに変化の兆しが見え始めた。

7月、BraveはBAT 4.0ロードマップを発表し、BATをBraveエコシステムに深く統合する一連の施策を打ち出した。その中には、ステーブルコインを基盤とするBraveリワードカード、従来の決済と暗号通貨をつなぐオールインワンウォレット、BravePayによる決済インフラの拡充、そしてAIとデジタルコマースに関連する新たなユースケースが含まれる。最も重要なのは、Braveがウォレットサービス、決済、その他プロダクトから生じる純収益の一部をBATの買い戻しに充て、買い戻したトークンをユーザーへのインセンティブ、クリエイターへの分配、エコシステム構築に活用する計画だ。

報道によると、この新しいリワードカードはローンチからわずか2カ月で、ウェイティングリスト登録者数が20万人を突破し、新プロダクトが相当な初期の注目を集めていることを証明した。一方で、BATトークンはすでに完全に希薄化が完了しており、投資家は今後予定されているトークンアンロックによる売り圧力を心配する必要がなくなった。

その意味するところを理解しよう。

Braveは最も難しいステップをすでに完了している。1億人が使うプロダクトを築き、グローバルブランドを確立し、流通チャネルを整備し、数百万人が日常的に利用するエコシステムを構築した。

しかし、つい最近まで、投資家がBATを保有する理由はほとんどなかった。今、Braveは事業の成否とトークン経済を結びつけようとしている。

もちろん、改革が必ず成功するとは限らない。収益でトークンを買い戻してユーザーに再分配することは、流通量を恒久的に減少させる株式の自社株買いと同義ではない。新しい決済プロダクトが成功するかどうかも、なお見守る必要がある。

しかし、まさにこの点こそが、今回の機会を生み出している。

投資家は、長年の粗末なトークンモデルを反映したバリュエーションでトークンを買う機会を得ているのであり、背後にある事業の潜在的な経済価値に基づく価格付けではない。BATが唯一の事例になる可能性は低いだろう。

多くの暗号プロジェクトが長年にわたり実際のプロダクトを深耕し、ユーザーを蓄積し、収益を生み出してきた一方で、トークンのパフォーマンスは低迷し続けてきた。一部のプロジェクトは事業が活況を呈しているにもかかわらず、トークン価値はほぼゼロに近い。さらに、暗号以外の分野で成功した企業の中にも、トークンメカニズムを導入すれば業績を一段と伸ばせる可能性がある企業が数多く存在する(例えば、Netflix、Disney、Spotify、Nikeなど消費者向けブランド)。

長年にわたり、投資家がこうした資産を避けてきたのは合理的だった。トークン保有者が基盤となる事業の収益を共有できなかったからだ。しかし、この収益分配メカニズムがついに実装されたら何が起こるのか。投資家に5年間無視されてきたトークンが、突如として実質的な経済価値を持つようになったら、何が起こるのか。

資産価値の再評価の余地は非常に大きい可能性がある。

展望:投資機会はますます明確になりつつある

暗号業界の発展の大部分の段階において、デジタル資産への投資は、投資家が他の市場で通用するファンダメンタルズの原則を棚上げすることを意味していた。さらに悪いことに、大多数の一般の観察者は、暗号市場ではファンダメンタルズ投資がそもそも不可能であると誤って思い込まされていた。

収益は重要ではなく、利益は重要ではなく、バリュエーションはほとんど意味を持たず、プロジェクトの成否とトークン価格はしばしばまったく無関係だった。

これらすべてが、ついに変わり始めている。

今や投資家には、デジタル資産業界の成長(成長はステーブルコイン/決済、DeFi、RWA現実資産トークン化という3つの領域に集中している)に参加するための、ますます質の高い4つの方法がある。投資家は、優良企業の株式に投資するか、収益成長と価値捕捉能力を備えた成熟トークンを選ぶか、誕生当初から持続可能な経済的ユーティリティを中心に設計された新規プロジェクトのトークンを選ぶか、あるいは事業が堅実で、老舗トークンの経済メカニズム再構築が期待できる対象を見つけることができる。

これら4つの機会は大きく異なるが、ひとつの共通する特徴を持つ。基盤となる事業やネットワークが持続的に成長するとき、資産自体がその価値上昇を支える識別可能な経済ロジックを備えているということだ。

そして第四のカテゴリーは、私たちがなぜトークンは従来の証券と比べて独自の優位性を持つと常々考えてきたかを改めて思い起こさせてくれる。株式の基礎的な所有権は比較的固定的だが、トークンの経済設計はライフサイクルの中で大きく反復・進化し得る。

この柔軟性は過去に悪用されてきた。しかし今、それを利用して実質的な経済価値を生み出す事例が増えている。6年前、私たちはこの柔軟性がデジタル資産投資の最も重要な特性のひとつになると提唱した。

実現までにかかった時間は私たちの予想よりも長かったが、私たちはこの主張が現実になる瞬間を目撃しつつあるのかもしれない。

暗号分野における次の優良投資対象は、必ずしも新会社や新規発行トークンとは限らない。それは成熟した企業に付随するものであり、ただ、その老舗トークンがついに投資家に還元する方法を見つけたというだけのことかもしれない。

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著者:金色财经

本記事はPANews入駐コラムニストの見解であり、PANewsの立場を代表するものではなく、法的責任を負いません。

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