手数料99%暴落、それでもTVLは10億ドルを堅持:Robinhood Chainの実態を徹底解剖

Robinhood Chainは、memeコイン熱の沈静化によりネットワーク手数料が急減した一方、TVLや株式トークン、現物DEX取引など主要指標は一定の強さを保っており、筆者は「消滅」ではなく次の成長局面を待つ状態だと分析している。

  • Robinhoodは2026年7月1日に同チェーンを開始。暗号資産事業の売上比率が2025年第1四半期の27.2%から2026年第1四半期の12.6%へ低下する中、トークン化株式を中心とするオンチェーン金融エコシステムを目指した。実際にはNoxa、Pons、LONGなどのローンチパッドと、トークン化株式を組み合わせたmemeコイン取引が初期の成長を牽引した。
  • ネットワーク手数料は9月4日に827万ドルまで急増したが、10月中旬には1日3万~4万ドルへ低下し、ピーク時の1%未満となった。筆者は、Arbitrum技術を採用する同チェーンの手数料が、ネットワーク負荷の上昇時に急騰する仕組みも急減の背景として挙げている。
  • TVLは約11億ドルで、Steakhouse Financialが運営するSteakhouse USDG Vaultが約5.4億ドルを占める。同Vaultの預入額は増加を続けており、Robinhoodが既存ユーザーに最大年率7%の利回りと追加インセンティブを提供していることが背景にある。預金に参加するウォレットは約7万5,000で、最大預金者はUSDGを準備資産として利用するプロトコルNetNetだという。
  • 株式・ETFトークンは同チェーン上のRWA発行量の半分以上を占め、株式およびRWAトークンの流通規模は約1.5億ドル。memeコイン熱が落ち着いた後も、大量発行された株式トークンの償還は進まず、流通価値は比較的安定している。
  • 現物DEXの取引量は、9月4日の32.7億ドルに対し、10月7日も32.4億ドルを記録し、その後も1日6億~7億ドルで推移している。memeコイン関連取引は現物DEX取引量の半分以上を占め、手数料の急減だけではエコシステムの消滅を判断できないと筆者は指摘する。
  • 次の成長要因として、筆者はLighterやArcusなどの永久先物DEXに注目している。両プロトコルはポイント制度で利用者を集めており、Robinhoodは両社に戦略投資を実施。今後、エアドロップ後も実質的な取引量を維持できるか、開発者支援や新たなオンチェーン金融商品の創出が進むかが、次の成長局面の条件になるとしている。
要約

執筆:100y

翻訳:Chopper、Foresight News

2026年で最も話題を集めたブロックチェーンの新プロジェクトを選ぶとすれば、Robinhood Chainがほぼ全員の答えになるだろう。暗号資産市場が低迷し、Robinhood自身の暗号資産事業も圧力を受け続け、その暗号資産事業の売上比率が2025年第1四半期の27.2%から2026年第1四半期の12.6%へと低下するなかでも、Robinhoodは大胆にも2026年7月1日にRobinhood Chainをローンチした。

Robinhood Chainの壮大なビジョンは、トークン化株式を中核とするオンチェーン金融エコシステムを構築することだ。しかしローンチから間もなく、Noxaなどのmeme

コイン発射プラットフォームやCashcatといったトークンが市場の注目を奪い、Robinhoodが本来現実資産(RWA)を軸にエコシステムを構築するという壮大な構想は、投機熱の前に色あせて見えた。

その後、LONGやPonsといった発射プラットフォームが、memeコインとトークン化株式を紐付けてペアにするという斬新なモデルを打ち出した。取引量はたちまち爆発し、HIMSやAMCなどの株式関連事例では、memeコインがトークン化株式を巻き込んで激しい値動きを生み出し、それが逆に伝統的な株式市場の価格にまで影響を及ぼした。

2026年9月4日、Robinhood Chainは1日で驚異の827万ドルというネットワーク手数料を生み出した。参考までに、Robinhoodの暗号資産事業全体の2026年第2四半期の総売上は約1億ドルであり、このチェーンの1日あたり手数料は極めて優れた数字といえる。

出典:@therollupco

しかし、この熱狂は長くは続かなかった。マクロ環境が芳しくなく、暗号資産市場が弱含むなか、Robinhood Chainのmemeコイン熱は徐々に冷めていった。ネットワークの混雑は解消され、手数料収入はかつての急騰と同じくらい急速に落ち込んだ。10月中旬までに、1日あたりのネットワーク手数料は3万〜4万ドルのレンジまで後退し、9月4日のピーク時の1%にも満たなくなった。

Robinhood Chainは一夜にして時代遅れになってしまったのだろうか。そのエコシステムの実態を深く掘り下げてみよう。

Robinhood Chainを深く洞察する

Robinhood Chainのエコシステムを支える主な柱は4つある。それは以下の通りだ。

  • Steakhouse USDG金庫
  • 株式トークン
  • Launchpadプラットフォームとmemeコイン
  • 分散型無期限契約取引所

Steakhouse USDG金庫

Robinhood Chainの総ロック量(TVL)は約11億ドルで、そのうち1つの金庫がほぼ半分を占めている。それがSteakhouse Financialが運営するSteakhouse USDG金庫だ。ユーザーはUSDGをMorphoの貸付市場に預けて貸付利息を得ることができ、現在の金庫のロック規模は約5.4億ドルに達する。

興味深いことに、先に見たネットワーク指標とは異なり、USDG金庫のロック量は一貫して着実に上昇しており、その中核的な理由は利回りの魅力にある。ユーザーを惹きつけ、ロック規模を拡大するため、Robinhoodは既存プラットフォームユーザーに最大7%の年利回りを提供し、追加インセンティブを上乗せしている。他のチェーン上のMorphoステーブルコイン金庫の年利回りは大半が3%〜5%にとどまっており、7%という利回りは投資家にとって極めて魅力的だ。

金庫の預金アドレスの分布を見ると、資金は大口保有者に集中しているが、すでに約7.5万のウォレットが預金に参加している。特筆すべきは、最大の預金者がプロトコルNetNetであることだ。これはUSDGを準備資産として使用するプロトコルである。この点を考慮に入れれば、USDG金庫に間接的に参加しているウォレットの実際の数はかなり多くなる。

暗号資産コミュニティでは、Robinhood Chainは投機家がmemeコインを取引する遊び場とみなされている。しかしその表面の下で、Robinhood ChainはUSDG金庫を通じてパッシブ投資ユーザーを着実に蓄積しているのだ。

株式トークン

Robinhood Chainの当初の位置づけは現実資産(RWA)を軸にエコシステムを構築することであり、トークン化株式はその最重点項目だ。このビジョンに沿って、株式とETFトークンはチェーン上の全現実資産トークン発行量の半分以上を占め、それに続くのがコモディティと米国債トークンだ。

9月初めにトークン化株式の価値が大幅に上昇したが、前述の通り、これは主に株式トークンとペアになったmemeコインの巨額の取引が牽引したもので、市場は需要を満たすために大量の新規株式トークンを鋳造する必要があった。memeコイン熱はやや冷めたものの、大量に新規鋳造された株式トークンは償還されておらず、流通価値は比較的安定を保っている。Robinhood Chain上の約1.5億ドル規模の株式および現実資産トークンは、エコシステムの次の発展段階に向けた流動性の土台をしっかりと築くことができる。

Launchpadプラットフォームとmemeコイン

Noxaを皮切りに、続いてPons、LONGが次々と登場し、memeコイン発射プラットフォームはRobinhood Chainのエコシステム構築に極めて重要な役割を果たした。従来のモデルでは、こうしたプラットフォームが発行するmemeコインは一般にETHやSOLなどパブリックチェーンのネイティブ資産とペアにされていた。一方、Robinhood Chainはまったく新しい遊び方をもたらした。memeコインを直接トークン化株式とペアにすることで、このパブリックチェーンのmemeコイン相場に火をつけたのだ。

ネットワーク手数料のチャートだけを見れば、Robinhood Chainのmemeコイン取引エコシステムは完全に消滅したと思うかもしれない。しかし、現物DEXの取引量は異なる答えを示している。9月4日の手数料ピーク当日、現物取引量は32.7億ドルに達した。熱が冷めた後も、10月7日の取引量はなお32.4億ドルに達し、現在このチェーンの1日あたり現物取引量は6億〜7億ドルのレンジで安定的に推移している。

さらに重要なのは、memeコイン関連の取引が消えていないことだ。memeコインの取引量は現物DEX総取引量の半分以上を占め続けている。誰もが消えたと思っていたmemeコインエコシステムは、実は消滅していないのだ。

無期限契約DEX

Robinhood Chainはトークン化株式エコシステムの構築を目指す一方で、活発度の高い無期限契約DEXエコシステムも有しており、ユーザーは現実資産など各種の対象を取引できる。エコシステム内の2大無期限契約DEXはLighterとArcusで、Robinhoodは両者に戦略的投資を行い、継続的に支援を提供している。Lighterの取引機能はRobinhoodウォレットに直接統合され、Arcusはトークン化株式の現物取引の流動性パートナーとして機能している。

memeコインがRobinhood Chainの第一波の成長を牽引したとすれば、無期限契約分野が第二波の相場を主導する可能性が最も高い。LighterとArcusはともにポイントプログラムを通じてトレーダーを積極的に惹きつけており、取引量と未決済建玉の規模はともに上昇を続けている。この2つのプロトコルがより多くのユーザーを惹きつけ、エアドロップを順調に実現できれば、Robinhood Chainは新たな黄金の発展期を迎える可能性がある。

Robinhood Chainが次のブレイクスルーを実現するために必要なもの

Robinhood Chainが外部に「もう終わりかけている」という印象を与えているのは、2026年9月の混雑ピーク時にネットワーク手数料が急騰したことによる大きな落差に起因するところが大きい。Robinhood ChainはArbitrumの技術スタックを採用しており、その手数料価格決定メカニズムでは、ネットワーク負荷が目標処理能力を超えると、ベースフィーが指数関数的に上昇する仕組みになっている。

一方で、USDG金庫のロック量、株式トークンの流通供給量、memeコインの取引量といった中核的なエコシステム指標は底堅く、手数料収入のような急落は見られなかった。実際、無期限契約DEX分野を見る限り、Robinhood Chainは第二波の爆発的成長を迎える潜在力を備えている。

私の見るところ、Robinhood Chainが次の黄金サイクルへと進むには、複数の条件が同時に満たされる必要がある。

  • エコシステム指標:パッシブ投資家とアクティブトレーダーを代表する中核指標、すなわちUSDG金庫のロック量、株式トークンの流通規模、memeコインの取引量が健全な水準を維持し、Robinhood Chainの次の成長サイクルに向けた強固な土台を築く必要がある。
  • 無期限契約DEXの成功:Robinhoodエコシステムの主要無期限契約DEX、例えばLighterやArcusは、ポイントプログラムを通じてトレーダーと流動性を継続的に惹きつける必要がある。さらに重要なのは、TGEとエアドロップが終了した後も、プロトコルが実質的な活発な取引量を維持できることだ。
  • エコシステム支援:他のレイヤー1、レイヤー2チェーンと比較すると、Robinhood Chainのエコシステムおよび開発者支援は明らかに少ない。Arbitrum財団は2026年初めからRobinhoodエコシステムを支援する複数の公式プログラムを立ち上げているが、現時点ではRobinhoodが独自に運営する同種の支援プロジェクトは確認されていない。投資面では、LighterとArcusへの2件の投資のみが確認されている。もちろん、エコシステムおよび開発者支援プロジェクトの効果自体にも多くの議論がある。しかし、適切に設計されれば、こうしたプロジェクトはRobinhood Chainがより質の高い分散型アプリケーションを惹きつけ、最終的にユーザー体験を最適化する助けとなる。
  • ネイティブなイノベーション:Robinhood Chainの初期の成功は、株式トークンとmemeコインのペアリングや株式トークンのエアドロップといった、真に斬新なアイデアに大きく由来している。現在の中核的なエコシステム指標は依然として堅調で、無期限契約DEXが新たな成長サイクルを下支えする見込みがある。もし他のチェーンには存在しないまったく新しいプロジェクトや金融の基盤コンポーネントが生まれれば、次の黄金時代を点火する強力な触媒となるだろう。

Robinhood Chainは消滅したわけではない。次のブレイクスルーを待っているだけだ。もしRobinhood Chainの第一波の成長の波に乗り遅れたのなら、今こそ改めて注目してみる価値があるかもしれない。

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著者:Foresight News

本記事はPANews入駐コラムニストの見解であり、PANewsの立場を代表するものではなく、法的責任を負いません。

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