PANews 6月15日付のCailian Pressの報道によると、IBMは今週、2029年までに実用的な大規模フォールトトレラント量子コンピュータを発売する計画を発表し、この目標達成に向けたロードマップを詳細に説明した。IBMは、2029年までに大規模な量子コンピューティングシステムを構築する計画だと述べた。同社はニューヨーク州ポキプシーのデータセンターに「Starling」と呼ばれる量子コンピュータを建設し、約200個の論理量子ビットを搭載する予定だ。その計算能力は既存の量子コンピュータの2万倍に達すると予想されており、ユーザーは現在のデバイスの限界をはるかに超える複雑な量子状態を探索できるようになる。量子ビットは量子コンピューティングの基本単位で、200個の量子ビットがあれば、従来のコンピュータに対する優位性を示し始めるのに十分である。
IBMの量子ビジネス担当副社長ジェイ・ガンベッタ氏は、IBMが2029年のロードマップに自信を持っているのは、qLDPCエラー訂正コードと呼ばれるエラーを削減する新しい方法のさらなる進歩と、リアルタイムでエラーを識別して訂正するための従来のコンピューティング技術の使用という2つの最近の進歩によるものだと主張した。
ガートナーのアナリスト、チラグ・デカテ氏は、IBMの画期的な技術革新がどのように「具体的なビジネス価値につながるか」は不明であり、フォールトトレラント量子コンピュータの変革の可能性は依然として憶測の域を出ないとコメントした。IBMの計画では、新型量子コンピュータの商用化時期や、エラー訂正システムの具体的なリリース日についても詳細が示されていない。
