著者:StarPlatinum
翻訳:善欧巴、金色財経
暗号資産業界は長い年月をかけて、背後にある事業と何の関係もないトークンを大量に作り出してきた。プロトコルが1億ドルを稼いでも、トークン保有者が手にするのはガバナンス権だけ——「すごい技術オタクだね、投票権があるよ」(すみません、これって聞いてて退屈ですよね)。
幸い、このモデルは変わりつつある。
実収益を使って、市場で自社トークンを買い戻すプロトコルが増えている。プロトコルが1000万ドルを投じて自社トークンを買い、バーン(焼却)することと、「将来実現するかもしれない、ただしガバナンス投票で可決されることが前提の買い戻し提案を発表する」ことは、まったく別物だ。
そして「収益」が再び暗号資産業界最大のナラティブの一つになるなか、私は「プロダクト利用 → 収益 → トークン需要」という連鎖が本当に機能し始めたプロジェクトをずっと整理してきた。以下に挙げる12個は、理解しておく価値があると思う。
1. $HYPE Hyperliquid
おそらく最も分かりやすい例だ。
Hyperliquidは最大級のオンチェーン無期限先物取引所の一つを作り上げ、「ここで誰かが取引する」こととHYPEの間に、非常にシンプルな関係を築いた。
取引は手数料を生む。
その手数料の約99%は援助基金(Assistance Fund)を通じてHYPEの買い入れに使われ、買い入れられたトークンは現行の仕組みに従って流通から除外される。
これは基本的に、トークンモデルの理想形だ。
誰かが午前3時にBTC、ETH、あるいは無名の無期限先物を取引し、Hyperliquidはそこから稼ぎ、そのお金の大部分が最終的にHYPEへの需要へと変わる。
私にとって重要な指標は、Hyperliquidの取引量と収益だ。
この取引所が継続的に大きな市場シェアを獲得し続ければ、HYPEの背後にいる買い手は継続的に弾薬を持ち続ける。取引活動が大幅に縮小すれば、弾薬もまた縮小する。
ただそれだけのことだ。
2. $PUMP PumpFun
PumpFunは同じロジックの、より「汚い」バージョンだ。
そのビジネスは、人々がミームコインを発行し続け、取引し続けることに依存しているため、収益はアテンション(注目)サイクルに極めて敏感だ。
しかし熱が入っているとき、Pumpは途方もない金額を稼ぐ。
その収益の一部は公開市場からPUMPを買い入れるために使われ、ある時点のデータでは累計買い入れ額が9桁(1億ドル超)に達したと示されている。
十代の若者が動物の画像を貼って発行したゴミコインの一つひとつが、間接的にプラットフォームトークンの買い圧力になり得る。
ここで私が注視するのは、PUMPのうち実際にどれだけが流通供給から除外されたかだ。
トークンをトレジャリー(財務庫)に買い入れることと、永久にバーンすることは、経済的にまったく異なる二つのイベントだ。
しかもPumpは、競合他社よりはるかに大きな敵とも戦わなければならない。それは、人々がいつかそこでゴミコインを発行することに飽きてしまう、ということだ。
3. $RAY Raydium
RAYはおそらく、このリストの中で最もワクワクしない名前だ。
そしてそれこそが、私が面白いと思う理由だ。
Raydiumは長年存在し、何度ものSolanaサイクルを生き延び、人々が使っていながら考えもしない大量の取引インフラを支えてきた。
歴史的に、プロトコルの取引手数料の一部はRAYの買い入れとバーンに使われてきた。
だからSolanaの活動が爆発したとき、Raydiumが恩恵を受けるのは単なるDEXとしてだけではない。トークン発行、スワップ、LaunchLabの活動もまた、RAYを取り巻く経済システムを養うことができる。
最近もその例を見た。StonkFunがRaydium LaunchLabに接続したのだ。
STONKが注目を集め、新トークンが投機資金を奪い取る。
4. $AAVE Aave
Aaveはレンディング市場で稼ぐ。
そしてDAOはプロトコル収益の一部を使って、市場からAAVEを買い入れる。
当初のスキームは年間5000万ドルとして設計された。ただし収益状況の変化に伴い、2026年の議論ではこの規模を約3000万ドルに引き下げることが検討されている。
HYPEや古典的な「買ってバーン」と比べると、ここには大きな違いが一つある。
DAOが買い入れたAAVEはエコシステムリザーブ(Ecosystem Reserve)に入る。
つまりDAOは自らの資産を積み上げているのであり、これらのトークンは最終的にインセンティブ、ステーキング、助成金、その他の用途に使われ得る。
私は実はこの違いが気に入っている。なぜなら「買い戻し」という言葉を見た瞬間にロングに切り替えるのではなく、バランスシート全体を見ることを強いられるからだ。
5. $SKY Sky
かつてMakerDAOと呼ばれていたプロトコルだ。
USDS、担保付きレンディング、トレジャリー資産、そしてより広範なSkyエコシステムは黒字(サープラス)を生み出す。
その黒字の一部はその後、SKYの買い入れに配分され得る。その資金配分システムは、トークンを流通から除外することを可能にする。
これによりSKYの収益源は、PUMPなどとはまったく異なるものになる。
Pumpはミームコインの活動を必要とする。
Skyが必要とするのは、自らのバランスシートとステーブルコインシステムが継続的に黒字を生み出すことだ。
6. $RLB Rollbit
RLBはおそらく、このリストの中で最も変わったビジネスだ。
Rollbitは暗号資産取引、ギャンブル、その他の投機的プロダクトを組み合わせており、歴史的にこれらの活動で稼いだお金の一部を使ってRLBを買い入れ、バーンしてきた。
その振る舞いは、まるで自社株買いを行う非上場のインターネット企業のようだ。
ユーザーが取引やギャンブルで損をし、Rollbitが収益を得て、その収益の一部がRLBを買い戻し、RLBはバーンされる。
ここでAaveやRaydiumよりも大きなリスクディスカウントを適用する理由は、いくつか明白だ。事業の集中度の高さ、規制へのエクスポージャーの大きさ、そして一部の基盤となる資金フローの透明性の低さだ。
7. $SYRUP Maple Finance
Mapleが面白いのは、暗号資産業界の古いやり方から脱却し続けている点だ。
その古いやり方とは、おおよそ次のようなものだ。トークンを発行する → トークンをステーカーに配る → それを「利回り」と呼ぶ。
Mapleはその転換を承認した。プロトコル収益をSYRUPの買い入れに使う、というものだ。
8. $ETHFI EtherFi
EtherFiの買い戻しシステムは、ETHFIの永久バーンに焦点を当てるのではなく、そのトークン経済に実際に参加する人々へ価値を向けるものだ。
eETHの償還手数料の一部は毎週のETHFI買い入れに使われ、Ether.fiエコシステム内の各プロダクトの収益の一部は、追加の月次買い入れを支えることもできる。
買い入れられたETHFIは主にsETHFI保有者に分配される。
だからこれは、トークン建ての配当により近いものに見える。
EtherFiが稼ぎ、ETHFIを買い入れ、ETHFIをロックした人々がその価値の一部を受け取る。
もちろん、これらのトークンは依然として存在し、受け取った側は最終的に売却することもできる。
しかし私は、これがすべての買い戻しモデルに興味深い問いを投げかけていると思う。あなたはこの資産を永久にバーンしたいか、それとも収益を使って「保有しロックすること」を経済的に有用にしたいか、と。
9. $ENA Ethena
ENAはおそらく、このリストの中で最も大きな可能性を秘めた買い戻しメカニズムを持っている。
そして「可能性」という二文字は、ここでは非常に重い。
Ethenaはあるフレームワークを議論してきた。USDeが必要なマイルストーンに到達すれば、プロトコル純収益の極めて高い割合——提案された構造では最大95%——が最終的にENAの買い入れに使われ得る、というものだ。
このメカニズムがフルスケールで起動すれば、その数字は非常に巨大になり得る。
USDeはすでに現実の金融プロダクトであり、収益はその担保、ヘッジ構造、そしてより広範なエコシステムから生まれる。
しかしEthenaの経済モデルは市場環境によって激しく変動する。暗号資産業界は、あまりにも多くの美しいスプレッドシートを壊してきた。
10. $LDO Lido
Lidoの魅力的な点は、巨大な経済エンジンを掌握しながら、LDOが歴史的にその価値を直接捕捉するのが難しかったことだ。
人々がETHをステーキングし、Lidoはプロトコル収益を生み、stETHはDeFiで最も重要な資産の一つとなり、一方でLDO保有者は基本的に何かをガバナンスしているだけだった。
このギャップは長年、このトークンに対する最大の批判点の一つだった。
提案されている買い戻しフレームワークは、これを変えようとするものだ。特定の経済条件(十分な年換算収益を含む)を満たした後、プロトコル収益がLDOの買い入れに資金を提供することを可能にする。
そしてこれこそが、私が「実現済みの買い戻し」と「買い戻しの可能性」を区別するポイントだ。問題は、そのビジネスのうち最終的にどれだけがLDOに伝わるかだ。
11. $STONK StonkFun
最近、私はこのプロジェクトについてよく話している。
StonkFunは急速にSolana上で最も特異なローンチパッドの一つになった。なぜなら、SOL以外で市場を構築する余地をはるかに大きくしたからだ。基本的な遊び方はこうだ。資産を見つけ、それを中心に市場を作り、するとどういうわけか暗号ツイッターがそれを取引しに来る。
累計収益は2290万ドルで、そのうち830万ドルは7日間で生まれた。そしてこのプロジェクトで広く引用されているモデルは、収益の60%をSTONKの買い入れとバーンに使うというものだ。
このプロジェクトはより多くの精査を必要とする。なぜなら上記の数字の多くはプロジェクトのダッシュボードやエコシステム側の発表によるものであり、現在、報酬トークンや売り圧力をめぐって大量の疑問も存在するからだ。
しかし同時に、これは「何を注視すべきか」を明確にしてくれる。収益、実際にSTONKの買い入れに使われた資本、そして実際にバーンアドレスへ送られたトークンだ。この三つが継続的に同じ方向へ動くなら、投機の下に現実の経済メカニズムが存在することになる。
12. $NET NetNet Capital
NETは、ここにある他のプロジェクトのほぼすべてと異なる。なぜなら、その買い戻しには参照価格があるからだ。
NetNetはRobinhood Chain上でオンチェーントレジャリーを構築している。このトレジャリーはUSDGやその他の資産を保有し、資本をMorphoなどのプロダクトに配備し、トークン化された株式をますます蓄積している。
NETの1枚1枚は、プロトコルの純資産価値(NAV)を通じて計算され、そのバランスシートの持分の一部を表している。
そしてNAVを下回る場合、プロトコルはおよそ「NAVマイナス1.5%」の価格でNETを買い入れ、買い入れた分の一部をバーンすることができる。
これは、トレジャリーが毎日、価格を問わず盲目的にNETを買い入れるわけではないことを意味する。市場がNETを、その対応する資産よりも低く評価したときにのみ、買い戻しは意味を持つようになる。
そして特定のNAV倍率を上回る場合、このメカニズムは実際には逆方向に機能する。NetNetは債券を通じて新しいNETを発行し、得られた資金をトレジャリーに加えることができる。
NAVを下回れば買い入れ、NAVに対する高プレミアムを上回れば発行する。この二つのメカニズムに挟まれた資産は成長し続ける。
NETは最近、NAVに対してかなりのプレミアムが付いているため、買い戻しは今日私が注目する理由ではない。本当に決定的な問いは、トレジャリーの複利のスピードが、保有者が希薄化されるスピードを上回れるかどうかだ。
結論
「買い戻し」はまもなく、暗号資産業界で最も乱用される言葉の一つになると私は考えている。
そして私が知りたいのは、お金が一体どこへ行ったのか、ということだ。
私は「年間買い戻し額 ÷ 時価総額」を見る。時価総額5億ドルのプロトコルが、毎年5000万ドルを継続的に自社トークンの買い入れに使えるなら、それは注目に値する。時価総額100億ドルのトークンが500万ドルの買い戻しを発表する一方で、5億ドルの供給をアンロックするなら、私は本当に気にしない。
暗号資産業界はようやく、プロトコルに収益を生み出させる方法を理解した。今私が見たいのは、どのプロトコルが本当にその収益をトークンにとって意味のあるものにしているかだ。



