著者:Venture Curator
翻訳:深潮 TechFlow
**深潮リード:**この記事は2組のハードデータで2つのことを暴き出す。大手VCがAIの同質的なプロジェクトに群がる一方で、新興マネージャーの方が異端に賭ける度胸があること。そして、ほとんどのVCファンドは設立から9年経ってもLPに元本すら返していないことだ。資金調達中の創業者にとって、ファンドの背後にある資金圧力を見抜くことは、ブランドの輝きを見るよりはるかに重要だ。

新興VCはより多くの型破りなスタートアップに投資しており、AI支出は7万社以上の企業の間で大きな差がある。
いったい誰がVCの異端に投資しているのか?データが示すもの。
ベンチャーキャピタリストは通常、これは異端についてのビジネスだと教えられる。誰も予想しなかった少数の企業がリターンの大半を生み出す。だから最大のチーム、最も広いネットワーク、最も多くの資本を持つ機関こそ、それらを見つける能力が最も高いはずだ。
しかし、OdinのDan GreyがDealroomのデータに基づいて行った新たな研究によると、最大の機関は今や、他のすべての投資先企業とは異なる企業に投資する可能性が最も低い。
Greyは、5つのメガファンド(a16z、General Catalyst、Lightspeed、NEA、Accel)が2023年から2025年にかけて行ったシードラウンドの投資先企業それぞれと、厳選されたトップ新興マネージャーのグループについて、希少度でスコアリングした。希少度は、ビジネス(業界、モデル、顧客、地域)と技術の2つの次元で、2018年から2025年までにシード資金を調達したすべての企業と照らし合わせて測定された。最も異例な上位5分の1が異端とみなされる。
新興マネージャーは、スコア可能なシードラウンドの24.7%を異端のプロファイルに投じた(198件中49件)。メガファンドはわずか11.5%(278件中32件)だった。およそ2倍の差だ。
この差は、すべての小規模ファンドが逆張り投資家だからではない。多くの新興マネージャーはメガファンドと同じくAIに大きく賭けている。Convictionは100% AI、South Park Commonsは93.5%だ。差は、異なるミッションを持つ専門型ファンドから生まれている。たとえばLowercarbonはAIへの投資がわずか18.8%、Multicoinはわずか15.4%だ。
だからこそポートフォリオ構成が重要なのだ。5つの異なる新興マネージャーの帳簿を合わせると、集中度は通常22.6%低下する。5つのメガファンドを合わせても、低下はわずか2.0%だ。なぜなら5つすべてがすでに82.7%から89.5%のAIポジションの間にあるからだ。462通りの可能な新興マネージャーの組み合わせのうち、メガファンドグループに勝てなかったのはわずか2通りだった。
このことの重要性は、ポートフォリオ統計の域を超えている。資金調達リスクに関する研究は一貫して、投資家が後続資金の利用可能性を予期するかどうかが、どの実験が最初の小切手を得られるかを決めると論じてきた。Odinは慎重に、そのデータがこのメカニズムを証明するものではないと述べている。しかし、最大の資金プールがすでに広く投資可能とみなされているプロジェクトにしか投資しないなら、そのコンセンサスの外にある企業は、最初の賭けを他者に頼るしかない。
では、これは新興マネージャーの方が勝者を選ぶのが上手いということなのか?
違う。「異端」とはここでは投資先企業の中で珍しいという意味であり、より革新的だという意味でも、成功する可能性が高いという意味でもない。創業者のバックグラウンドをスコアに加えると、差は19.8%対14.4%に縮まる。新興マネージャーのグループは厳選されたサンプルであり、市場全体を代表するものではない。そして小規模ファンドにも独自の群れの瞬間がある。ブロックチェーンは彼らの初期ラウンドで46.7%を占めたが、後に20.9%まで下がった。
ここがまさに投資家が注意すべき点だ。
あなたの論点が「リターンは異端から生まれる」というものなら、もう1つ有名ファンドを加えても、ほとんどは同じ賭けを増やすだけだ。本当に異なるミッションを持つファンドのバスケットこそが、範囲を広げる。しかし、範囲だけでは小切手を切る理由にはならない。Odin自身のテストはこうだ。そのファンドはあなたの既存ポートフォリオに何の欠けているものを、どの手数料とキャリードインタレストで補えるのか、希薄化後の持株比率はいくらか、後続資金調達リスクはどうか。
本当の問題は、どのファンドが一番大きいかではない。問題は、どのファンドが本当に他人が見ていない場所を見ているかだ。データを見る限り、そのリストはますます同じ人々ではなくなっているからだ。
9年後、ほとんどのVCファンドはまだ投資家にお金を返していない。次に何が起こるのか?
創業者は通常、自分のVCを忍耐強い資本とみなすよう教えられる。ベンチャーキャピタルは長距離走であり、ファンドは大きな結果を待つために作られていて、キャップテーブル上に現金を急ぐ者はいない、と。
しかし、Cartaの2026年第2四半期VCファンド業績レポートの新データは、多くのファンドの忍耐が尽きかけていることを示している。なぜなら、そのほとんどがまだ投資家のお金を返していないからだ。
Cartaは、純DPI、つまりファンドが実際にLPに返した現金がLPの投入した1ドルに対して占める割合を追跡しており、2017年から2026年の間に投資を開始した約3000本の米国ベンチャーキャピタルファンドをカバーしている。
2017年に投資を開始したファンドは現在およそ9年目で、典型的な10年のファンドライフサイクルの終盤に近い。中央値のファンドはわずか0.37倍の現金しか返していない。上位4分の1のファンドでさえ0.70倍にすぎない。LPが投入した金額を超えて返したのは上位10%だけで、1.37倍に達した。
より若いファンドはさらに悪い。2018年ファンドの中央値は0.15倍、2019年ファンドの中央値は0.04倍、つまり7年後に1ドルあたりわずか4セントしか戻ってこない。
価値は帳簿上には存在する。2017年ファンドの中央値の帳簿価値は1.72倍だが、そのうち現金で返されたのはおよそ5分の1にすぎない。残りはまだ売却も上場もされていない非公開企業に閉じ込められたままだ。
外部からこれを見抜くのが難しい理由を説明する2つ目のディテールがある。これらのファンドのほとんどは実際にいくらかのお金を返している。2017年ファンドの86%、2018年ファンドの70.4%が少なくとも一部の現金を返している。だから、ほぼすべてのファンドが自分のLPに「分配は始まっている」と伝えられる。しかし、お金を返したと言えるファンドはほとんどいない。
では、創業者はなぜ自分の投資家のファンド帳簿を気にする必要があるのか?
なぜなら、あなたの投資家のファンドの時計は、あなたの会社の時計と同じではないからだ。満期に近づき、LPに本物の現金を借りていて、しかも次のファンドを募集中のファンドは、できるだけ早く流動性を得る強い動機を持つ。この圧力は、あなたに早期売却を促したり、セカンダリー市場で持ち分を売ったり、次の資金調達ラウンドでの追加出資に慎重になったりする形で現れうる。
そして、ここが創業者が注意すべき点だ。
これらは、あなたの投資家があなたに不利なことをするという意味ではない。ファンドは存続期間を延長できるし、多くのトップ機関には勝者を支援し続ける十分な理由がある。Cartaのデータは現金のギャップを示しているだけで、各ファンドがどう動くかを示すものではない。しかし、あなたに小切手を切ったファンドのビンテージは、今や脚注ではなく、現実の変数だ。2017年か2018年のファンドから出資するパートナーと、真新しい2025年のファンドから出資するパートナーでは、置かれた状況がまったく異なる。
本当のリスクは、あなたの投資家が流動性を必要としていることではない。あなたのお金がどのファンドから来ているのか、そのファンドが自分の出資者にどれだけの現金を借りているのか、そしてそれが次の資金調達ラウンドやエグジットに関する彼らの助言にどう影響するのかを、あなたが知らないことだ。
AIで一番大きなお金はどこにあるのか:フロンティアモデルか、それとも中間市場か?
ほとんどのAI報道はフロンティアに注目している。各ラボの最新で、最も賢く、最も高価なモデルだ。しかし、Theory VenturesのTomasz Tunguzは1つの論点を提起する。本当に重要な市場は中間層であり、支出データもそれを裏付けている。
中間層はすでにAI支出の約40%、トークン使用量の30%を占めている。

対照的に、フロンティアモデルの部分は薄い。Anthropic最強のモデルFable 5.1は、リリース後最初の12日間でゲートウェイ支出のわずか3.7%しか占めなかった。その前世代は最高13.2%に達したが、Opus 5が半額でリリースされてから1か月後には4.9%まで落ちた。大企業アカウントでは、フロンティアモデルのトークン消費比率は8月初めの53%から9月には45%まで下がった。
価格競争もまさにこの層で繰り広げられている。9月にAnthropicが新モデルを値下げしたとき、OpenAIはおよそ90分後に追随して値下げした。その値下げの前、Opusシリーズは4バージョン連続で、価格を100万トークンあたり入力5ドル、出力25ドルに維持していた。ローエンドでは、OpenAIは7月にLunaの価格を80%引き下げ、9月にはさらに50%引き下げた。
3つの力が中間層の価格を継続的に押し下げている。
ラボ間の競争。ラボは今や、数四半期ではなく数時間以内に互いの値下げに追随する。
オープンウェイトモデル。データを公開しているゲートウェイでは、オープンモデルがトークン量の大半を処理しており、価格はクローズドモデルの混合価格より86%低い。
ファインチューニング。オープンウェイトモデルKimi K2.5をベースにファインチューニングしたCursor Composer 2は、以前の自社開発モデルに比べて総コストを86%削減した。HarveyはセルあたりのコストをSonnet 5比で55%削減し、同時にスコアはFable 5を上回った。
この状況が続くのは構造的なものだ。企業がAIにやらせること、たとえば契約書の要約やチケットの分類は、年々ほとんど変わらない。そして、その基準を満たせる知能のコストは急速に下がっている。だから、固定の要件を通過できる層は、四半期ごとに安くなっていく。そして、実際の仕事の大半はフロンティアではなく、この層に落ちている。
需要は、フロンティアが頂点にあるピラミッドというより、中間が太い釣鐘曲線のように見える。買い手が気にするのは、ピーク能力ではなく、1ドルでどれだけの知能が買えるかだ。未解決の問いは、この中間市場が最終的にコモディティ化するかどうかだ。もしそうなれば、AI市場全体の経済性もそれに伴って変わる。
これらのモデルの上でプロダクトを作っている人なら、問う価値がある。あなたのプロダクトが本当に必要としているのはどの層なのか。中間層の仕事にフロンティアモデルの価格を払うことは、今や真っ先に捨てるべき利益の一種だ。
あなたのスタートアップはAIにいくら使うべきか?データはこう語る。
ほとんどの創業者にAIにいくら使っているか尋ねると、自信に満ちた数字が返ってくる。ChatGPTとClaudeのシート、Cursorの請求書、増え続けるAPI費用、合わせて月に数千ドル。これは正確に聞こえるが、実はそうではない。なぜなら、共通点がベンダーのカテゴリーだけという、まったく共通点のない3種類の支出を足し合わせているからだ。
Rampがカバーする7万社以上の米国企業の決済データは、「AIを使う」ということがどれほど分裂したものになっているかを示している。
中央値の企業は従業員1人あたり月11.38ドルを使う。上位10%は611ドルを使う。
上位1%は7,449ドルを使い、これは中央値のおよそ650倍だ。そしてRampがこれらの支出を、Revelio Labsがカバーする21,559社の労働力記録と関連付けたところ、高支出の企業は2年間で従業員数が10.2%増加し、そのうちエントリーレベルの採用は12%増えていた。
低強度ユーザーのデータには有意な変化がまったくなかった。

だから、もっと使おう。しかし、どこに使うのか?
ほとんどの創業者はAIの請求書を自分のソフトウェア予算と比べる。なぜなら、これらの費用は請求書上でFigmaやNotionと並んでいるからだ。これは間違った分母だ。増え続けるAI支出が置き換えているのは、ソフトウェアではなく、人だ。カスタマーサポートのエージェントの比較対象は、SaaSスイートではなく、カスタマーサポートのポジションだ。
典型的なシード段階の企業で計算してみよう。12人、月の給与コスト約18万ドル、AI支出は月4千ドル。ソフトウェア予算と比べると、4千ドルは重く見える。給与コストと比べると、わずか2.2%だ。同じ数字なのに、結論は正反対になる。
解決策は、AI予算を3つに分け、それぞれを独自のベンチマークで評価することだ。
人件費ラインのAI(カスタマーサポート、SDR、プログラミングエージェント)は、あなたが雇わなかった人の給与と照らし合わせる。そのポジションが何か言えなければ、このカテゴリーに入れるべきではない。
生産性ラインのAI(シート、ノート、ライティングツール)は使用率を見る。使用率が2か月目に減衰したら、解約する。
コストラインのAI(プロダクト内部のトークンとAPI呼び出し)は、10倍のボリュームでの粗利率を見る。そして、それは必ずあなたの帳簿上のCOGSに入れなければならない。

3つのカテゴリーを混ぜると、すべてのシグナルが互いに打ち消し合う。シートへの過剰支出が総額を膨らませて見せ、創業者はエージェントに慎重になる。しかし、そここそがリターンのある場所だ。上位1%の勝者は、多く使ったからではなく、支出が分類されていたからだ。AIが人を置き換える場所では大きく賭け、人を加速させるだけの場所では厳しく抑制し、プロダクト内部の場所では粗利を注視する。
私たちは完全な分類方法を分解した。今週にも自分の請求書を照合できる30分の監査プロセスを含む。詳細は《あなたのAI支出は何をベンチマークにすべきか?》を参照。
なぜディープテックのVCデューデリジェンスはむしろ悪化したのか?
あなたは、最も難しい技術こそ最も厳格な審査を受けるべきだと思うかもしれない。量子コンピューター、核融合炉、新しいチップアーキテクチャは、物理法則に合致して動くか動かないかのどちらかであり、それを検証するには本物の専門能力が必要だ。
しかし、PostQuantumのMarin Ivezicは、実際は正反対だと考える。取引が大きく、技術が高度であるほど、科学が成り立つかを独立した誰かが確認する可能性は低くなる。
これは投資家が怠惰になったからではない。いくつかの構造的変化が重なったのだ。
専門家層が消えた。
かつて投資家は、銀行のリサーチチームから独立した技術判断を得られた。そのチームには専門アナリストが雇われていた。2018年の欧州MiFID II規則がリサーチ費用と取引費用の分離支払いを求めたことで、このモデルは縮小した。報道によると、欧州の株式リサーチ規模は約20%縮小し、主要銀行の専門アナリストの数も減った。
専門家ネットワークは今や約25億ドルのビジネスとなり、その空白の一部を埋めている。しかし、それはどの専門家に、何を尋ねるべきかを知っている場合にのみ機能する。フロンティア領域では、それこそがジェネラリスト型投資家の持たない知識だ。
資金はジェネラリストに流れた。
2025年、プライベート量子投資は49億ドルに達し、192%増加した。最大の投資家はブラックロックとNVIDIAであり、専門の量子ファンドではない。ソブリン・ウェルス・ファンドと年金もこうしたラウンドにますます参加しており、ソブリンファンドを対象とした調査では、58%の機関が取引をリードするのに必要なリソースを欠いていることがわかった。自ら技術審査を行えない資本は、結局他人の判断に頼るしかない。
リード投資家の名前が審査に取って代わった。
評判のあるリード投資家は、フォローするすべての人の信用保証となる。フォロー投資家は、リード投資家が物理的な実現可能性をすでに検証済みだと暗黙のうちに想定するが、その審査を見ることはできず、それが実際に行われたかも確認できない。一部のラウンドにはそれすらない。Quantinuumの6億ドルの資金調達には、名前の挙がるリード投資家がまったくいなかった。
締め切りと群集心理が、審査よりもスピードを優先させた。
2023年末、米国のファンドは記録的な3116億ドルの未投資資金を抱えていた。配分圧力に直面するファンドマネージャーにとって、人気の取引に加わることは、それを遅らせることより利益になる。そして、同業と一緒に間違うことは、単独で間違うより評判へのダメージがはるかに小さい。
ディープテックには強制的なチェックポイントがない。
バイオテックは良い対照だ。FDAの承認プロセスが各段階のデータ公開を強制するため、業界はこれを中心に一連のデューデリジェンス規範を構築してきた。科学諮問委員会、専門レビュアー、段階別チェックだ。
量子分野には同等の関門がない。この記事が見つけられた大型量子企業に対する最も厳格な技術審査は、オーストラリア政府によるもので、情報公開請求を通じて初めて開示されたものであり、投資家によるものではなかった。
結果は数字にはっきりと表れている。

2025年のプライベート量子投資は49億ドルだったが、量子コンピューティング業界全体の総収益は約14億ドルだった。2021年にSPACで上場した3社の量子企業は、2025年の合計収益を約12億ドルと予測していたが、実際に納品したのは約1.38億ドルだった。そして、最も堅実な検証作業の一部を行ったのは、投資家ではなく、空売り筋だった。
この種のことがどう終わるかには、すでに前例がある。2006年から2011年にかけて、VCはクリーンテックに250億ドル以上を投じ、半分以上を失った。そのサイクルを研究した学者たちは当時、ハードウェア経験のない年金とソブリンファンドが、次にこうした企業にお金を出す人々になると警告していた。
提示された解決策はシンプルだ。一定規模を超えるディープテックのラウンドにフォロー投資する前に、LPは独立した技術的実現可能性の審査を要求すべきだ。その審査はファンドが委託してはならず、創業者が選んでもならない。なお、著者自身が量子スタートアップに投資しており、こうした審査サービスを提供する会社を経営していることを明記しておく。しかし、核心的な論点は依然として成り立つ。ディープテックの分野では、キャップテーブル上の1つのロゴが静かに技術検証に取って代わってしまった。そして、これほどの小切手の金額を前にすれば、数週間の独立審査の費用など取るに足らない。


