著者:Ekko An(Tiger Research)
翻訳:深潮 TechFlow
深潮导读: 過去1年間で、デジタル資産カストディ業界は爆発的な拡大を迎えた。欧州でMiCAライセンスを取得したカストディアンの数が4倍に急増し、スタンダードチャータードやシティといったウォール街の大手が競って参入する中、オンチェーン資産の基盤となる安全性の土台はすでに概形を整えつつある。しかし、預かり資産残高(AUC)に基づくベーシスポイント手数料に依存する従来のカストディモデルは、商業的な成長の天井に急速に突き当たりつつある。
単一の料率による利益の束縛を打ち破るため、先行する暗号資産ネイティブ企業は、伝統的金融が100年かけて辿った進化の軌跡をなぞり、受託者義務と資産処分権限を備えた「トラストサービス」への転換を加速している。歴史は驚くほど相似している。19世紀のボストンの金庫会社(セーフデポジット社)は、遺産管理や債券担保管理に事業を広げることでトラスト銀行へと成長し、ステート・ストリートもまた、ファンド資産の保管基盤を足がかりに世界初のETFとインデックス資産運用帝国を育て上げた。
今日、Anchorage、BitGo、Agora、そしてCatenaは、米国通貨監督庁(OCC)の全米トラスト銀行免許を相次いで取得または申請し、ステーブルコイン発行、大口決済・清算、投資助言、さらにはAIエージェント向けの自律的資産管理までを一気通貫で手がけようとしている。資産の安全なカストディが同質化競争の参加券へと変わりつつある今、トラストの特許権(トラスト・チャーター)を軸に高付加価値な資本サービス・ループを構築できる者が、暗号資産インスティテューショナル・ファイナンスの次の黄金時代を主導することになるだろう。
主要ポイント
デジタル資産カストディ市場は過去1年で急速に成長し、欧州MiCAの枠組みの下でコンプライアンス準拠のカストディ機関の数は4倍超に増加、50社から230社へと急増した。
カストディ事業は主に保有資産の規模に応じた比例手数料を課すため、収益の天井が限定される。一方、機関にそうした資産の直接管理・投資権限を与えるトラストサービスが、次の段階の進化の中心的的方向性となりつつある。
伝統的金融の歴史を振り返れば、金庫会社は当初の単純な安全保管から遺産管理や債券担保管理へと段階的に領域を広げ、ステート・ストリートもその後、ファンド資産のカストディからアクティブ運用へと飛躍した。この古典的な進化の軌跡は、デジタル資産の領域で今まさに完全に再現されつつある。
AnchorageとBitGoはステーブルコイン発行および決済・清算の領域へと拡大しており、AgoraとCatenaは投資助言と資産管理業務に全力で布陣している。4社はいずれも全米トラスト銀行免許をすでに取得するか申請中で、事業の境界を広げようとしている。
将来のカストディ機関の競争力の核は、もはや管理下の資産規模だけではなく、顧客に提供できる付加価値金融サービスの深さに大きく依存するようになる。
過去1年、暗号資産カストディ業界の急速な成長
1年前、Tiger Researchはリサーチレポート『見落とされがちなカストディ業界の成長』で、カストディサービスがデジタル資産業界全体の核心的な基盤であると指摘した。しかし当時、資産の保有と安全管理に特化したカストディサービスは、市場から十分な注目を集めていなかった。
過去1年、暗号資産カストディ市場に参入する企業数は噴出とも言える勢いで増加した。欧州では、EUの包括的な暗号資産規制枠組みであるMiCA(暗号資産市場規則)のライセンスを取得したコンプライアンス準拠のカストディ機関の数が4倍超に増え、当初の50社から230社へと急増した。
同時に、世界の大手伝統的金融機関も相次いで大規模な布陣を敷いている。スタンダードチャータード銀行は専門カストディ機関の買収を通じて本格参入し、シティグループも年内に専用のカストディ業務を正式に開始すると公表した。
この激しい変化は、オンチェーン資産規模の持続的な膨張を直接反映している。RWA.xyzの統計によれば、今年1年だけでトークン化された現実世界資産(RWA)の規模は85%急増し、約398億ドルにまで達した。
ステーブルコインの総時価総額は2025年の1年間で50%以上増加し、3000億ドルの大台を一気に突破、その後もほぼその水準を維持している。トークン化資産とステーブルコインはいずれも原資産をコンプライアンス準拠のカストディの下に置くことが義務付けられているため、カストディ需要が高まるのは当然だ。
しかし、各機関が競って参入しているのは、決して基礎的なカストディ事業の分け前にあずかるためだけではない。純粋なカストディ収入は主に受託資産規模に応じて徴収する比例手数料に由来するため、事業の天井は極めて限られている。
だからこそ、先見性のある機関は既存のカストディ顧客関係を踏み台として、トラストサービスへと拡張し、収益力を大幅に高めようとしている。
機関は短期的にはカストディに注力して急増するコンプライアンス需要を取り込み、中長期ではそれを基盤として、トラストなどの高付加価値な事業領域へと越境的な飛躍を遂げようとしている。
カストディとトラストサービス:資産の保管から資産運用へ
図:カストディとトラストサービスの核心的側面を全方位的に比較
カストディとトラストサービスは、外部からしばしば混同される。両者はいずれも顧客資産の保有に関わるが、サービス提供者が負う法的責任と業務内容は大きく異なる。
カストディとは、顧客に代わって資産を安全に保有する基礎的なサービスである。顧客は常に資産の法的所有権を保持し、カストディアンの役割は安全な保管と指示に基づく振替に厳格に限定される。
これに対し、トラストの枠組みでは、委託者(顧客)が資産の所有権を受託者(トラスト会社)に移転し、トラスト会社がトラスト設定の具体的な目的に従って資産を自主的に管理し、投資運用し、処分・分配する。
これらの資産から生じる収益はすべて、委託者が指定した受益者に帰属する。トラスト会社の運営は、家族の富を受託管理する受託者に非常によく似ている。すなわち、投資によって価値を増やし、取り決めた時点で家族に収益を分配する。
トラスト会社は原資産について独立した管理・投資の判断を行えるため、法的に受益者の利益を第一に置く受託者義務(フィデュシャリー・デューティー)を負う。
要するに、両者はいずれも顧客資産の保有に関わるが、カストディは受動的な安全保管に重点を置き、トラストサービスは能動的な資産管理と投資運用に注力する。
歴史の循環の再演:資産の保管からトラストサービスへ
現時点で、大多数のデジタル資産カストディサービスは依然として資産の安全な保管に中核を置いている。業界の初期段階では、カストディ需要は主に現物取引とデリバティブ取引から生じており、これらの場面では複雑な資産管理構造を必要としなかった。
しかし、現実世界資産(RWA)に基づく金融商品が普及するにつれて、単純な安全保管では、収益生成や担保の清算といった、より深いトラスト機能に対する市場の切実な需要に応えられなくなっている。
この進化の過程は、伝統的金融の歴史の軌跡と高度に符合する。米国南北戦争の時期、米国政府は国債を大規模に発行し始め、証券を保有する一般個人投資家の数が急増した。
これらの債券を安全に保管するため、投資家は金庫(セーフデポジット・ボックス)を借り始め、専門の金庫会社の初期の隆盛を生み出した。しかし、顧客資産の規模と需要が多様化するにつれて、単純な物理的保管はすぐに天井に達し、これらの企業をトラスト業務への全面的な拡張へと向かわせた。
金庫会社の進化:物理的保管から遺産・担保管理へ
図:伝統的な金庫会社がトラスト機能を軸に個人・企業顧客向けサービスを広げる道筋
ボストンとロチェスターの金庫会社は、伝統的金融において安全保管からトラスト分野へと成功裏に進出した典型例である。顧客が直面する資産面の課題が単純な保管の範囲を超えるにつれて、これらの企業は自然な流れとしてサービス領域を広げていった。
個人顧客にとって最も核心的な課題は資産承継だった。顧客が死亡すると、金庫に保管された証券はしばしば長期にわたる遺産紛争や管理の空白に直面した。
この問題を解決するため、金庫会社はトラストの枠組みを設け、被相続人の遺産を受託管理し、投資運用を通じて存命の配偶者に終身で定期的に収益を分配し、配偶者の死後は元本全額を次世代の子女に承継させた。
企業顧客にとっての核心的課題は債券担保の管理だった。企業が債券を発行して資金調達を行う際には、相応の担保資産を中立的な第三者に預け、デフォルト発生時に債券保有者の法的権益を保護する必要がある。
1883年、ボストン金庫会社は正式に受託者に就任し、アメリカン・ラピッド・テレグラフ社(American Rapid Telegraph)の債券担保の管理を担当した。これは伝統的金融史において金庫会社が企業向けトラスト機能を拡張した重要なマイルストーンでもある。
これらの歴史的事例は、金庫会社が既存の保管業務の上に法的なトラスト機能を付与することで、徐々に自らを現代のトラスト銀行へと鍛え上げていったことを示している。
顧客がすでにこれらの機関を高度に信頼し、資産の保管を託すことをいとわないのであれば、当然、その資産の管理も引き続き委ねたいと考える傾向がある。これは今日のデジタル資産カストディ機関に突破口の道筋を示している。すなわち、顧客のまだ満たされていない深層の金融ニーズを解決することだ。
ステート・ストリートのパラダイム:ファンド資産の保管からアクティブ運用へ
図:ステート・ストリートがファンド・カストディを軸にインデックス運用とETF受託業務へと進化した歩み
ステート・ストリート銀行は、単純なファンド資産のカストディから直接的なアクティブ運用へと移行した業界の模範である。
資産カストディと資産運用を一体化することで、ステート・ストリートは顧客に全方位の総合金融サービスを提供できるようになった。もともと資金の保管だけを任せていた機関投資家の顧客は、資産の専門的な投資運用をステート・ストリートに安心して委ね始めた。
ステート・ストリートの当初の資産運用事業も、やはり日々のカストディ業務の中で蓄積された中核能力から生まれた。長年にわたりファンドの評価・計算と記帳を担ってきたため、ステート・ストリートは市場インデックスを追跡する資産ポートフォリオの処理において、極めて精緻な実務経験を積み上げてきた。
この強みを背景に、ステート・ストリートは1978年、機関投資家向けのインデックス運用部門を設立し、アクティブ運用事業の幕を正式に切った。
その後もステート・ストリートは製品の対象顧客層を広げ続けた。1993年、ステート・ストリートはアメリカ証券取引所と共同で、S&P500指数を追跡する世界初の上場投資信託(ETF)SPYを立ち上げ、自ら受託者を務めた。
ステート・ストリートは、取引清算、銀行間決済、ファンド評価などの日常的なカストディ業務で蓄積した深い技術的障壁を十分に活用し、従来の資産運用大手が到底及ばない運営上の堀を築き上げた。
今日のデジタル資産カストディアンも同じパラダイムに従うことができる。すなわち、自らが保有するオンチェーン資産と、深くサービスを提供する顧客エコシステムの中から、次の段階で最も爆発力のある資産運用のビジネス・ループを掘り起こすのだ。
デジタル資産カストディアンはいかにしてトラストサービスへ越境進化するか
現在のデジタル資産カストディ機関は、単純な秘密鍵保管の枠組みから加速的に飛び出し、総合トラスト業務へと全面的に深く踏み込んでいる。
その中で最も代表的な先鋒企業がAnchorage、BitGo、Agora、そしてCatenaである。前者2社はステーブルコイン発行と決済・清算チャネルに積極的に切り込み、後者2社は投資助言とアクティブ資産運用に全力で焦点を当てている。
さらに重要なのは、これら4社がいずれも米国通貨監督庁(OCC)が発行する全米トラスト銀行免許を正式に取得したか、積極的に申請中であり、これを事業領域を広げる中核的なコンプライアンスの拠り所としていることだ。
AnchorageとBitGo:カストディ基盤の上に銀行級の金融サービスを積み上げる
図:AnchorageとBitGoが全米トラスト銀行免許を軸に広げる銀行級の付加価値業務マトリクス
歴史的な金庫会社がトラスト免許を軸に物理的保管からトラスト銀行へと変貌したように、今日のデジタル資産領域でも、AnchorageとBitGoはほぼ完全に同じ軌跡を辿って進化している。
両社はいずれもトラストとカストディの双方のサービスを提供する全米の法定免許を取得済みである。Anchorageは早くも2021年1月にいち早く全米トラスト銀行へと改組し、BitGoも2025年12月に全国的なトラスト銀行免許の実質的な突破を果たした。
全米トラスト銀行のコンプライアンス資格を背景に、両社の事業マトリクスは当初の機関投資家向けビットコイン・イーサリアム商品から、現実世界資産(RWA)とステーブルコインのエコシステムへと全面的に広がっている。
今や両社の競合はもはや他の暗号資産ネイティブのカストディアンに限られない。トラスト・チャーターを軸に、ステーブルコイン発行、大口取引の決済、ステーキング収益の分配、オンチェーン担保カストディなどの領域で、伝統的なウォール街の大手銀行と直接競い合うことができる。
ビットコイン現物ETF、RWAトークン化資産、ステーブルコインの規模が指数関数的に拡大するにつれ、機関投資家の大口安全決済やオンチェーン・ステーキング収益に対する需要も幾何級数的に高まっている。
両社が蓄積した資産規模とコンプライアンス上の評判は、デジタル資産の中核領域において伝統的な商業銀行の潜在顧客の流れを直接食い止めるのに十分なものとなっている。両社最大の堀は、すでに深く結びついた数百社の一流機関顧客と、長年にわたり蓄積されたネイティブなオンチェーン決済・リスク管理の経験にある。
伝統的な商業銀行が内部のコンプライアンス上の障害を完全に取り除き、正式に大規模参入する頃には、AnchorageとBitGoはおそらくすでに全米トラスト銀行の枠組みの下で揺るぎない業界の主導的地位を確立しているだろう。
かつての金庫会社が最終的に現代の商業銀行大手へと変貌したように、この2社もトラストサービスという踏み台を借りて、デジタル時代の新たなグローバル銀行へと徐々に成長しつつある。
AgoraとCatena:資産の保有からアクティブ資産運用へ
図:AgoraとCatenaはトラストの枠組みを軸に投資助言と直接資産管理へ越境展開する
ステート・ストリートはファンド資産のカストディで蓄積した能力を資産運用へと広げ、最終的に世界をカバーするETFの空母を築き上げた。AgoraとCatenaは、この伝説的な道筋をデジタル資産の領域で再現しようとしている。
2026年9月18日、AgoraとCatenaはいずれも米国通貨監督庁(OCC)から全米トラスト銀行設立に関する条件付きの予備的承認を取得した。
現在、両社がトラスト銀行免許を軸に展開する投資顧問・アクティブ資産運用業務は、最終的な全面営業許可の交付を待つ、緊張感のある事前準備段階にある。
正式に認可されれば、Agoraは機関投資家に対し、オンチェーン投資機会の分析・評価と収益生成に関する助言を全面的に提供する計画であり、最終的な売買の決定権は依然として顧客の手元に残される。
Catenaはさらに一歩進み、全米トラスト銀行の枠組みを軸に直接的な資産管理業務を展開する計画だ。その資産管理の範囲は従来の機関資金にとどまらず、自律型AIエージェントが配分・使用するオンチェーン・デジタル資産をも先見的に引き受ける。
両社の先行ポジショニングは極めて重要な戦略的意義を持つ。デジタル資産管理の領域では、基盤となるオンチェーン・エコシステムへの深い理解と、定量リスク管理モデルの実戦的な錬磨には、しばしば数年の蓄積が必要である。
複雑で精妙なDeFiプロトコルにおいて、資産の貸借、流動性マーケットメイク、複数プロトコルの積み木式な組み合わせを通じて超過収益を獲得する仕組みは、伝統的金融市場とは根本的に異なる。
伝統的金融機関が完全な暗号資産リスク管理体制をなかなか構築できなければ、この専門的認知の溝は時間の経過とともにさらに広がるばかりだ。
AgoraとCatenaが伝統的金融機関に先駆けて、オンチェーン資産運用において誰もが認める実績を築き上げ、その後、一般投資家向けの低ハードルなコンプライアンス商品を打ち出せれば、従来のウォール街の資産運用大手に匹敵する新たなオンチェーン勢力へと成長する可能性は十分にある。
カストディはすでにベースライン:次の業界進化への備え
デジタル資産を安全に保有することは、カストディ機関の立命の本であり続ける。しかし今後の業界の競合格局においては、単純な秘密鍵の安全保管は参入障壁へと変わり、真の勝敗を分けるのは、保管基盤の上に付加価値サービスを構築する能力にかかってくる。
DeFiとRWA市場の融合が続くにつれ、機関投資家の要望はもはやトークンをコールドウォレットに静置しておくことでは満たされなくなっている。彼らは資産をいつでも投資に回し、融資の担保として充当し、あるいは効率的に流通させたいと望んでいる。
トークン化された米国債ファンドを例に取れば、投資家の要望は今や基礎的な利息を得ることにとどまらない。米国債トークンを担保にステーブルコインを借り入れ、その借り入れたステーブルコインを他のオンチェーン裁定取引戦略に投じることで、単一の資産を複数の金融プロセスにおいてレバレッジと効用の最大化を図りたいと考えている。
金融機関にとって、顧客の既存資産を活性化させ、より多くの取引シーンに組み込むことの商業的価値は、まったく新しい製品をゼロから生み出すことに少しも劣らない。
これは同様に、暗号資産カストディアンに無限の想像空間を開くものでもある。機関がデジタル資産投資や高頻度取引を行う際には、安全な保管に加えて、効率的な資産の振替、クロスチェーン決済、担保の動的管理サービスも必要とする。
顧客の原資産をすでにしっかりと掌握し、同時に決済・清算と担保管理の免許一式を備えたカストディ機関は、当然ながら機関投資家の全体の資本配置において代替不可能な中核的役割を果たすことができる。
そしてトラストサービスこそ、こうした高度な資産管理・投資需要を受け止める最適なコンプライアンスの器である。トラスト会社は、顧客の商業的意図とトラスト契約の定めに従って、資産配分から収益分配までの全プロセスを遂行する能力を十分に備えている。
全米トラスト銀行および関連主体を通じて事業の境界を拡大することで、前述のリーディング機関が実践しているように、カストディ機関は段階的に変貌・アップグレードし、かつては伝統的銀行、証券会社、資産運用機関が分業して担っていた総合金融サービスをトータルで提供できるようになる。
もちろん、トラスト免許を取得しただけでは商業的成功が自動的に保証されるわけではない。カストディ機関は、顧客が本当に必要とする金融商品を着実に磨き上げ、資産の絶対的な安全を確保したうえで、堅実な投資リターンによって市場の信頼を勝ち取らなければならない。
オンチェーン資産管理と定量取引において誰よりも早く実戦の堀を築いたカストディアンは、動きの鈍い伝統的金融大手に対して大きな先行者の非対称優位を形成することになる。
1年前、業界全体のスポットライトはカストディ業界そのものの野蛮な成長に集まっていた。しかし今日、中心的な議題は静かに、これらの巨額資産を抱える機関が次にどのような潜在力を解き放てるのかへと移っている。
今後1年は、周到にトラストサービスを準備してきた先鋒機関が正式に営業を開始し、大挙して攻勢をかける重要な分水嶺となるかもしれない。
安全なカストディがデジタル金融の後半戦への参加券にすぎないのだとすれば、トラスト・チャーターを軸に築かれる高度な金融サービス・ループが、最終的に誰が次の時代の業界王者の座に登るかを決めることになるだろう。



