2025年の暗号通貨ベンチャーキャピタルマップを解読：AIが最も収益性の高い金儲けの王となり、A16z、パラダイムなど5大巨頭がインフラトラックを席巻

原題: 上半期の暗号通貨資金調達：主要トレンドと洞察

オリジナル記事：マルコ・マノッポ

原文翻訳: TechFlow

2025年前半は、暗号資産ベンチャーキャピタルにとって転換点となる年です。2年間の資本引き締めと投資家の慎重姿勢を経て、資金が流入しています。6月30日時点で、公開されている暗号資産関連の資金調達総額は370億ドルを超え、シードラウンド、ACラウンド、戦略的ラウンド、IPOを含む150件以上の取引が追跡されています。規制の不確実性とトークン価格の継続的な変動にもかかわらず、機関投資家とベンチャーキャピタルの業界への信頼は力強く回復しています。

重要なポイント

• 2025年上半期に公表された暗号通貨による資金調達総額は370億ドルを超え、2021年の強気相場以来最も活発な時期の1つとなり、150件以上の取引が追跡されました。

• Binanceの20億ドルの戦略的資金調達やCircleの11億ドルのIPOなどの大規模資金調達により、平均取引規模は2億4,800万ドルに達し、成熟したプラットフォームに対する市場の新たな信頼を浮き彫りにしました。

• 資金の大部分は消費者向けアプリケーションや投機的なプロジェクトから移行し、スケーリングソリューション、コンプライアンスインフラストラクチャ、クロスチェーンプロトコルに注ぎ込まれました。

• 約7億ドルがAI関連の暗号プロジェクトに流入しました。これは投資家がこれをイノベーションの次の重要なフロンティアと見ていることを示しています。

• a16z crypto、Paradigm、Pantera、Galaxy Digital、Sequoiaといったトップ投資家は、最高評価額の投資ラウンドの約40%を占めています。現在、大規模なファンドは依然として暗号資産業界の発展の方向性に大きな影響力を持っています。

総資金調達の概要

2025年1月から6月の間に、暗号通貨およびブロックチェーンのスタートアップ企業は、公表されている資金調達額で約373億ドルを調達しました。平均調達額は約2億4,800万ドルで、前年比で大幅に増加しました。もちろん、この平均額は、Binanceの20億ドル規模の戦略的資金調達やCircleの11億ドル規模のIPOなど、いくつかの大型ラウンドやIPOの影響を受けています。調達額の中央値は約5,000万ドルで、ほとんどの資金調達ラウンドが依然として中規模市場の範囲内にあることを反映しています。

この資金調達総額により、2025年前半は2021年の強気相場以来、最も活発な時期の一つとなりました。特に注目すべきは、消費者向けアプリケーション分野だけでなく、インフラやスケーリングソリューションにも多額の資金が流入している点です。

月次および四半期の傾向

資金調達額は月によって変動しますが、3月が最も好調でした。3月だけで、企業は大型の戦略的資金調達ラウンドやIPO前の資金調達により、推定80億ドルを調達しました。

1月と2月の資金調達総額は約94億ドルでしたが、4月は約45億ドルとやや減速しました。5月と6月は資金調達活動が回復し、いずれも50億ドルを超えました。これは、後期段階の取引とCircleのIPOが牽引した形です。

四半期ベースでは、第1四半期に約174億ドルの資金調達があり、第2四半期にはさらに159億ドルの資金調達がありました。第1四半期は年初からの勢いとBinanceからの資金調達が牽引しましたが、第2四半期は資金調達の範囲が広がり、スケーリングインフラ、カストディソリューション、DeFiなどの分野に多額の資金が分散されました。

このペースは、投資家が年初に資金調達の決定を下し、トークン価格がさらに上昇する前に評価額を確定させようとしていることを示唆している。

業界のセグメンテーションと分析

さまざまな業界への資金配分を分析すると、投資家が長期的な価値について楽観的な見方をしている分野が明確にわかります。

• DeFiと金融インフラ分野は62億ドル以上の資金を集め、最大のシェアを獲得しました。コンプライアンス遵守に基づく融資、デリバティブ、流動性供給に重点を置いた機関投資家向けDeFiプロトコルが特に人気でした。

• レイヤー1およびレイヤー2のスケーリングソリューションは約33億ドルを調達しました。EigenLayer、LayerZero、その他のプロトコルに重点を置いたプロジェクトが最大の受益者となり、投資家がイーサリアムのスケーリングとクロスチェーン相互運用性に未解決の機会が残っていると考えていることを反映しています。

• 保管、セキュリティ、コンプライアンスのソリューションには 12 億ドル以上の資金が投入され、規制当局が要件を厳しくする中で信頼できるインフラストラクチャの重要性が浮き彫りになりました。

• ステーブルコインと決済ネットワークは約 15 億ドルを調達しており、法定通貨とオンチェーン流動性を結び付けるプロジェクトが引き続き資本によって支えられていることを示しています。

• AIと暗号通貨の融合は急速に成長しているテーマとなっており、大規模言語モデル、分散コンピューティング、トークンインセンティブを融合したプロジェクトに約7億ドルが投資されています。

• NFTおよびゲーム分野への資金調達は、2021～2022年と比較して依然として低調で、総額約6億ドルにとどまりました。これは、市場が投機的な収集品から実用性重視のアプリケーションへとシフトしていることを示唆しています。つまり、資本は純粋な消費者の誇大宣伝サイクルから、インフラ、コンプライアンス体制、そして拡大したエコシステムへと決定的にシフトしたのです。

注目すべき資金調達ラウンド

複数の大型資金調達ラウンドが、ニュースの見出しと資金の流れを席巻しました。1月にバイナンスが実施した20億ドルの戦略的資金調達は、今年の資金調達市場の方向性を即座に決定づけ、成熟した取引プラットフォームでさえ投資家からの大きな信頼を得ていることを示しました。サークルの11億ドルのIPOは、今年上半期における最大の上場エグジット事例となり、ステーブルコインモデルの実現可能性と収益性の高さを証明しました。同時に、バイナンスとサークルの資金調達ラウンドは、それぞれ暗号資産史上2位と3位の規模を誇ります。

その他の注目すべき資金調達ラウンドとしては、TONの4億ドルの戦略的資金調達、Phantomの1億5000万ドルのシリーズC資金調達、LayerZeroの1億5000万ドルの投資などが挙げられます。これらのラウンドだけで、今年上半期の資金調達総額の4分の1を占めました。

重要なダイナミックな現象：ほぼすべての大規模資金調達ラウンドには、a16z crypto、Paradigm、Sequoia Capital、Pantera Capitalなどのトップ投資会社が参加しており、これらはすべて、主流のベンチャーキャピタルファンドが今後も業界のリーダーに株式を集中させ続けることを示しています。