前世紀に設立されたSBI、日本Web3の先駆けに

SBIグループが467億円でBitbankを買収、預かり資産68億ドル、ユーザー数約292万人に達し、日本最大の暗号資産取引所グループに躍り出た。

執筆:Eric、Foresight News

2026年6月25日、日本のSBIグループは、467億円(約2.89億ドル)の対価で日本の暗号資産取引所Bitbankを買収すると発表した。10月に完了予定のこの買収により、SBIグループの口座数は約292万、預かり資産は約1.1兆円(約68億ドル)に達し、日本最大の暗号資産取引所グループとなる。

他国の暗号資産大手が「新生代」の顔ぶれで次々と登場するなか、日本で暗号資産分野に最も積極的に取り組む企業の一つであるSBIは、アリババと同年に「誕生」した。

SBIグループは1999年7月に設立され、当初は「SOFTBANK INVESTMENT CORPORATION」としてソフトバンクグループに属し、投資とインキュベーションを主力事業としていた。その後、日本の金融規制緩和を追い風に、同年10月にE*TRADE Japan(現SBI SECURITIESの前身)を買収してオンライン証券取引サービスを開始し、日本最古参のオンライン証券の一つとなった。

2005年にSOFTBANK INVESTMENTからSBIホールディングスに商号変更し、持株会社体制へ移行、2006年には完全に独立した。公式サイトの紹介によれば、SBIは設立当初から「インターネット+金融イノベーション」を中核的方向性としており、日本のインターネット金融の先駆者と広く見なされている。同グループは後に自らを「インターネット金融総合グループ」と位置づけ、オンラインプラットフォームを通じて証券・銀行・保険などのサービスを提供する「金融スーパーマーケット」モデルを強調している。

27年も前にインターネット金融に乗り出した同社は、ブロックチェーンへの布陣も古くから敷いてきた。

2016年、SBIはリップルとの提携を通じてブロックチェーン分野に参入し、以来その協力関係を今日まで維持し続けている。同年1月、両社は予備的な提携合意に達し、リップルはSBIのアジアにおける金融ネットワークを足がかりとした拡大に期待を寄せた。4カ月後に提携はさらに格上げされ、SBIとリップルは合弁でSBI Ripple Asia Co., Ltd.(SBI60%出資、リップル40%出資)を設立。RippleNetを日本・韓国・東南アジアに導入し、クロスボーダー決済に活用することを目指した。

その後7年にわたり、SBIは実証実験からスタートし、リップルを基盤とするクロスボーダー決済ネットワークをタイ、フィリピン、ベトナム、インドネシアなどへ段階的に展開した。2023年からは、SBI傘下の企業が株主に対してXRPを直接配当として支給するようになり、日本の上場企業としては初の事例となった。

2025年6月、SBIはリップルと覚書を交わし、SBI VC Tradeを通じて日本で米ドル建てステーブルコインRipple USD(RLUSD)の取り扱いを計画。今年3月、RLUSDは金融庁の承認を受け、新型電子決済手段としてSBI VC Trade経由で機関投資家およびリテールユーザー向けに開放され、決済、トークン化、担保などのユースケースに対応する。RLUSDに加えて、ほんの数日前には、SBIが日本初の信託型円建てステーブルコインJPYSCの発行を発表した。

ここで言うSBI VC Tradeは、SBI傘下の主力暗号資産取引所であり、290万超の口座と約68億ドルの預かり資産を有するこの取引所は、数年にわたる買収を通じて今日の規模に達した。

2020年、バイナンスはかってのヤフージャパンであるZファンドと交渉し、同社傘下の暗号資産取引所TaoTaoを買収して日本市場に参入しようとした。9カ月に及ぶ綱引きの末に交渉は決裂したが、TaoTaoはすぐさまSBIの子会社としてVC Tradeに統合されると発表した。

TaoTao買収を皮切りに、SBIは買収の波に乗った。2024年末には、北朝鮮のハッカー集団による攻撃を受け運営難に陥ったDMM Bitcoinの顧客資産と残りの預かり資産をVC Tradeに統合。今年4月には、2023年に買収済みのBITPoint JapanをVC Tradeに統合。さらに今回買収したBitbankを加え、SBIは「超能力」で取引所の城壁を築き上げた。

取引所にとどまらず、Web3メディア企業CoinPost、インフラ企業HashHub、シンガポールの取引所Coinhakoも、すでに「SBIファミリー」に加わっているか、買収を協議中だ。買収と並行して、SBIは投資にも惜しみなく、リップル、韓国取引所Bithumb、RWAトークン化プラットフォームのSecuritize、Kraken、Circleといった著名なWeb3企業がいずれもSBIの投資ポートフォリオに名を連ねている。

日本のWeb3エコシステムは相対的に閉鎖的だが、SBIはそのなかでも稀有な国際化水準の高い多角的事業グループであり、グレースケールやマイニングプールFoundryの親会社DCGにやや似ている。決済や取引への布石に加え、SBIはマーケットメーカーのB2C2、デジタル資産の取引・運用・カストディサービスを手がけるSBI Digital Asset Holdings / SBI Digital Markets、暗号資産マイニングとマイニングプール事業(sbicrypto pool)に従事するSBI Cryptoを擁している。さらに、SBIの証券部門なども暗号資産投資信託、ブロックチェーン債の発行、暗号資産決済カードといった事業を模索している。

具体的なWeb3プロジェクトこそ手がけないものの、SBIは暗号資産業界のほぼあらゆる側面を網羅している。本稿執筆時点で、SBIの時価総額は1.78兆円、約110億ドル。この110億ドルの時価総額には、暗号資産以外にも伝統的な銀行・証券などの事業が含まれている。知名度では同じ日本の上場企業であるメタプラネットに及ばないかもしれないが、金融の世界で三十年にわたりもがき続けてきたこの老兵は、Web3の果実をしっかりと手中に収めた。

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著者:Foresight News

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